contexts
私も編集に関わっているアメリカ社会学会発行の社会学雑誌(春の号)がもうすぐ出版になります。社会問題の研究を分かりやすく写真や図もちりばめながら編集している、アメリカ社会学会唯一の一般向け雑誌。
雑誌のサイトへは上の写真をクリックしてください。
今回私は、ディスカバリーズという最新の社会学研究の紹介に加えて、リタリン世代と呼ばれる若い世代の薬の使用についての記事を編集しました(著者はミカ・ロー)。
こ の雑誌の紹介も兼ね、今日は編集チーム数名でお話してきました。ミネソタ大学生涯教育プログラムを受講している定年退職された方々のグループです。 普段私達の教える大学生の何倍もよく話を聞いてくださって(!)、学会や大学の役割、編集の過程、政策に関する助言やその効果など、嬉しい質問攻めにあい ました。
その後、編集のエイミー(ジャーナリスト)と私達院生編集チームのウェス、ジェス、ジョンで、アメリカ社会学会からの費用で(ここ強調するように言われました)遅めのランチをしたのでした。エイミーと音楽やテレビの話がやけに感覚があう!と思っていたら、同い年な事が判明。 違う国で育っても、同じ音楽・テレビ番組で育っている、本当にグローバル化の世の中です。
アメリカ社会学会誌のひとつ、Contexts。 編集をうちのミネソタ大社会学部が受け持つことになるので、今日はそれについてのミーティング。
Contextsは学会が編集・出版する学術誌ですが、学者のためでなくジャーナリストや一般の「社会問題に興味のある人」をターゲットにした雑誌。 下のリンクをクリックするとわかるように、面白い写真もあって、最近の社会の問題についてもわかり易い。 今回の特集は若者の間でブーム(?)のタトゥー(刺青)。
ミーティングは強制参加じゃなかったので、こういうのに興味がある先生と院生が集合。 これからのビジョンや夏からの企画などをして、楽しくおしゃべりした金曜の遅い午後の時間。 お茶(お茶ではなく炭酸飲料ですが・・・)とお菓子も出て、くつろいだ午後。 ふゥ~。
社会学って、今の社会や人を研究分析して役立てるための学問なのに、学者が学会で集まって、学者言葉で話して、学者が満たされる言葉遣いで書いて出版。 出版されても、使われている言葉が専門用語すぎて、社会を変える専門的な位置にいる人(たとえば、ジャーナリスト、お医者さんや看護婦さん、先生、役所の人、政治家)にもさっぱりわからない事に・・・。
『それではいけない!』とうちの学部の学部長やお友達先生がContextsを招待して、社会学者と一般の世界をつなぎましょう!ということらしいです。すごく読みやすくていい雑誌。

小説は何語で読みますか?
私は、日本語と英語のバイリンガルなので、基本的にもともと日本語で書かれた本は日本語で、英語がオリジナルのものは英語で読みます。 たとえば、ダン・ブラウン著『ダ・ヴィンチ・コード』は日本語版があっても英語で読むし、よしもとばななさんの『キッチン』は英語版が近くの図書館や本屋さんにあっても必ず日本語版を読みます。
でも、村上春樹氏の小説は別。 日本語だと、男っぽすぎて Too Much! でも、英語で読むと、なぜかちょうどいい感じ。 『海辺のカフカ』も英語で読んだので、私のアシスタントをしてくれている院生でもう1人のアシスタント(今学期は4人います)の産休をカバーしてくれた方にプレゼントしました。
6月に翻訳した映画の宣伝リンクが出来たそうです。 よろしかったら、ご覧ください。
『トランスナショナルな女性労働者たち(Transnational Tradeswomen)』(VivianPrice制作)
日本部分の紹介
10月23日付の読売新聞にも紹介が出ています。
理解あるお友達の協力あって、先週たった4日で教育&ドキュメンタリー・フィルムの和訳をすることに。
『トランスナショナルな女性労働者たち(Transnational Tradeswomen)』(VivianPrice制作)という、アジアで建設労働をする女性達を追ったもの。 95年の北京で行われた国連女性会議や、日本の女性が配管工や大型トラック運転手として働く現場も映し出し、途上国と先進国の働く女性の問題に共通点が多いことを考えさせられるフィルムです。 社会学、女性学、グローバル研究、開発研究などの大学生の授業に使うとよさそう。
Price, Vivian. 2006. Transnational Tradeswomen (Film).
プライス、ヴィヴィアン.2006.トランスナショナルな女性労働者たち~国境を越えた女性達の労働問題~(映画).
この前日本研究シンポジウムで発表したのが縁で、もう一度UCLAへ。 こんどは新しい研究プロジェクトで「最近日本からLAに移住している人々」をテーマにした調査のワークショップでコメントすることに。
院生の私が、日本の大学の先生の研究にコメントするって・・・。 なんか日本では間違っているような気もするんだけど、アメリカではOK。 とっても面白い新しいタイプの研究の予備調査の報告書だったので、楽しんで読んで、その著者が神戸外大の先生とは露知らず、勝手にどんどんコメントした。 あとで、そのメールで、(コメントのとき)「いい雰囲気を作ってくださって、ありがとうございます」なんて感謝される。 日本ではありえないシチュエーション。
日本の女の子の「ギャル文字(絵文字)」について発表なさっていたミラー先生と一緒のホテルに滞在したので、一緒に歩いて一緒に道草。 UCLAの道に植えてあるローズマリーとかラベンダーとかを見つけ、手にとって香っては「あ~いい香りね~」とかいいながら。 今その先生の本を読んでいます、すごく面白いのでお勧め!

ワークショップの後は打ち上げ。 参加者には日本人もアメリカ人もいるのだけど、みんな日本を研究しているので、会話も日本語中心で、雰囲気も日本。 アメリカ人学生のほうが日本文化に詳しく、色々教えてもらったり、話を聞いて勉強に。 名刺の渡し方とか、座る順序とか。 日本人だけど日本で就職していない私には、「なんとなくわかっているような、わかっていないような」ことをクリスティーとかマットは授業で学んでいたりするのでアナドレナイ。
そこで私は、日本人女子としては絶対してはいけないミスを! 日本の大学からはるばる来ていらっしゃる先生にビールを・・・と思い、ピッチャーからグラスにビールを入れようとしたら泡アワアワっ! ・・・で、それがグラスからあふれて、テーブルは大惨事に!! 遅れてきたアメリカ人学生さんたちは、まさか日本人女子の私がそんなソソウをしたとは思えなかったみたいだったけど、自慢げに(!?)教えてあげると「あチャ~。合コンでは大ヒンシュクよ!」(もちろん完璧な日本語で!)とまじめ顔で言われてしまった。
去年の夏に研究アシスタントをしたキャシーが著作披露パーティーをしてくれて、お邪魔する。 友達が運転する車でセント・ポールのお宅に。
本は同性結婚の法と政治と文化についてですが、彼女の研究はすでに同性異性関係なく巻き起こっているアメリカでの「結婚社会運動」に移っています。 法律と政治と権利。 それに、育児や保険や雇用、つまりアメリカの家族に関わる社会現象。
Hull, Kathleen E. 2006. Same-Sex Marriage: The Cultural Politics of Love and Law. New York: Cambridge University Press.
フル、キャサリーン E. 2006. 同性結婚:愛と法の文化的政治. ニューヨーク:ケンブリッジ大学出版.

パーティーにも、いろんな先生方や数人の院生・ポスドクフェローが。 久々に合った知り合いの先生とか、その奥様とか。 楽しく会話をしながら食事。
パーティーが終わるころ、私を車に乗せて来てくれた友達3人は、「ストリップクラブに行く!」と言って私をおいていってしまった・・・。 それっていったい・・・。
そこに残された私は、社会学博士(うちの学部の教授)たちに、「車に乗せてきてくれた友達がストリップクラブに行くので、(行かない私を家まで)乗せて帰っていただけませんか?」って・・・。 みんな爆笑・・・。
お勧めです。
Yamagishi, Toshio. 2002. Japanese with an Unbalancely Huge Heart. Tokyo: Nihon Keizai Shimbunsha.
山岸俊男. 2002. 心でっかちな日本人: 集団主義文化という幻想. 東京:日本経済新聞社.
Yoshino, Kenji. 2006. Covering : The Hidden Assault on Our Civil Rights. New York : Random House.
ヨシノ・ケンジ. 2006. カバリング(偽装工作): 市民権への隠れた攻撃. ニューヨーク:ランダム・ハウス.
社会学者ゴフマンのコンセプト「カバリング」を使ってアメリカ市民権と法について書かれた本。 (ちなみに、ゴフマンの訳本中「カバリング」は日本語は「偽装工作」と訳されているようですが、なんかちょっと大げさな訳な気が!) このヨシノ・ケンジ先生の本は英語で今年出版なので、未だ日本語版はでていないはず。 米国イェ-ル大の憲法学者です、ヨシノ先生。 ちゃんとケンジ・ヨシノ ドットコムを持っていらして、写真もなかなかかっこよく、一般人の言葉で本の説明が書かれていて、読みやすい。 論文に引用しよッ!
ミネソタ北部で実際あった炭鉱訴訟が映画になって、「ノース・カントリー」というタイトルで、10月ごろアメリカで上映していました。 私が住んでいるアメリカのミネソタ州、アメリカの北中西部のお話。 映画の舞台になった所は、ミネソタ大学から車で数時間のところ。 うちの学部の先生が裁判で専門知識のある参考人として話していたりして(カール・マルクイスト先生、いつも私に私の研究に関する記事や判例を教えてくださる)、ほかの先生や友達からも聞いていたので、観に行く。
判例的には、アメリカで最初のセクハラの集団訴訟で、初勝訴。 でも、英語でも日本語でも、映画の宣伝ではセクハラという言葉は前面に出されず、ストーリーは「がんばって働くシングルマザーの戦いと勝利のお話」。 それは宣伝側のとってもワイズな戦略だとおもう。 だって、「セクハラ」とか「女性の権利」というと限られた人しか見に行かないだろうけど、「戦いと勝利のお話」として、こんなにかわいい(下の映画ポスターの写真を見て!)ショットで宣伝されると、なんだか行きたくなるもの、映画館に。 いろいろ私にも学ぶところがあります。 日本でこれから放映されるのに、タイトルがスタンド・アップとなっていて、興味深いです。 「ノース・カントリー」だと日本で育った人はTVドラマの「北の国から」みたいだと思うから・・・?

ノース・カントリー http://northcountrymovie.warnerbros.com/
スタンド・アップ http://wwws.warnerbros.co.jp/standup
赤川学. 2004. 子供が減って何が悪いか! 東京:筑摩書房.
Akagawa, Manabu. 2004. Kodomogahette nanigawaruika! (What's Wrong with Fewer Kids!) Tokyo:Chikuma Shobo.
すご~く面白い! 今夏のアメリカ社会学会で、山口先生が「赤川学さんはとっても面白いですよ」とおっしゃっていたので、取り寄せました、子供が減って何が悪いか! キャー、いい感じ、面白いです、イケテマス! 今届いたばかりで、まだパラパラ~ッとページをめくっただけですが、最近の日本の少子化と社会の対応について、「かなり笑える、けっこう納得できる、そして学べる」本。
赤川先生のホームページに行くと、「東大社会学博士で、プロレスが好きで、お化けが嫌いらしいお茶目な先生」だということがわかりますね・・・。
*このBookReview掲載後に、赤川先生がこのBlogを読んでコメントしてくださいました(下のComments参照)。 うれしいと同時に「ホントに本物カイ・・・?」と思い、先生にメールしたら本物! 思わず、「私の論文で、先生はじめいろいろな方に『日本の雇用機会均等法(1985年)後の意識変化』についてインタビューしたいんです! 2月に日本に行く予定なので、インタビューさせてください!」とお願いしたら、快くOKしてくださいました。 インターネット、アナドレない!
私は日本にいないので、著者の酒井順子さんがどれくらいメディアに出ているのか知らないのですが、かなり人気の彼女のエッセーを読みました。 すご~く面白いので、まだ読んでいない人は読んでみて! とても分かりやすい例やジョークを使いながら、社会学者が言うような事をさらっと書いていて、社会学者もこういう風に面白く書けたら本も売れるし、世の中に研究を貢献できるのに!と思いながら、お腹を抱えて笑いながら読みました。